今平周吾(24=レオパレスリゾートグアム)が4バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの70で回り、通算9アンダーの275でツアー初優勝を飾った。

 ただ1人4日間アンダーパーをそろえて2位とは6打差。4日間を戦って第1日から首位を譲らない完全優勝で初Vを達成したのは、日本人では09年日本プロを制した池田勇太以来の快挙だった。

 「めっちゃうれしい」。歓喜に向けた幕開けは、波乱含みだった。1番でいきなりダブルボギー。しかし、続く2番で7メートルのバーディーパットを流し込んだ。3番も4メートルを入れてパーセーブ。「そこで平常心になれた」と振り返る。

 「これまで勝負どころで入らなかった。そこが成長」。昨秋、たびたび助言をもらっている谷口徹から指摘を受けたのがきっかけだった。パターがボールの下から入る癖があり、ダウンブローを徹底。ボールの手前に少しだけ浮かせてティーをさし、それに当たらないように打つ練習を繰り返したことが、土壇場で自らを救った。

 メンタル面の成長も大きい。首位タイで最終日に臨んだ14年カシオ・ワールドオープンは6番でダブルボギーをたたいて脱落。22位に終わった。「あの時は経験もないですし、精神的に18ホールもたなかった。優勝争いは緊張する。そこは、みんな一緒なんだと思えるようになった」とうなずく。

 前日、谷口にごちそうしてもらった夕食の席で「優勝争いの緊張感をどうコントロールすればいいですか?」と質問していた。「そんなの関係ない。気にしてちゃダメだ」。さらに話は思わぬ方向へ及んだ。「もっと、お金を使え。プロなんだから、いいホテルに泊まって、いい車に乗れ」。プロとしてのあり方までを説いてくれる大先輩は、18番のグリーンサイドで待ち構え、ウオーターシャワーで祝福してくれた。

 「どんどん優勝していきたい。日本で賞金王になって海外に挑戦したい。(20年東京)オリンピックにも出たいですね」。若手の台頭を望む声が叫ばれて久しい日本ツアー。けん引役になりうる24歳が、確かな自信をつかんだ。