<米女子ゴルフ:ステートファーム・クラシック>◇3日目◇19日◇米イリノイ州スプリングフィールド、パンサークリークCC(6608ヤード、パー72)◇賞金総額170万ドル(約1億7850万円)優勝25万ドル(約2680万円)

 ミシェル・ウィー(18=米国)が失格した。67で回って首位と1打差の単独2位でホールアウト。しかし、第2ラウンド終了後にスコアカードに署名していなかったことが判明し、自らのミスでツアー初勝利のチャンスを棒に振った。プロ転向初戦の05年サムスン世界選手権でもスコアの過少申告で失格となっている。

 笑顔が一変した。スコアを5つ伸ばして第3ラウンドを終えたウィーに待っていたのは、まさかの失格宣告だった。「選手はスコアテントを離れる前にスコアカードを確認し、署名しなければいけない。テントを離れた時点で署名を怠ったとみなされる。規則違反です」とのトーナメント・ディレクターの言葉に黙って従うしかなかった。「本当に残念…。自分に何が起こったのか分からない」。ウィーは目に涙をいっぱいためて会場を後にした。

 前日の第2ラウンド終了後、スコアカードに署名するのを忘れ、スコアテントを出た。チェックするボランティアが気づき、追いかけて呼び止めた。テントに戻って署名。その規則違反が発覚したのは、この日の朝だった。ボランティアが前日の件を話しているのが大会関係者の耳に入った。その時、ウィーのグループはすでにティーオフしていた。大会関係者は、同伴競技者のことも考えて、ラウンド後にウィー本人から事情聴取。事実関係に間違いはなく、失格となった。

 「ボランティアが後を追ってきたので、署名して渡した。それで大丈夫だと思ったし、悪意のない間違いだった」。こう言うウィーだが、失格の代償はあまりにも大きい。首位とは1打差。ツアー初勝利のビッグチャンスだった。02年からプロのトーナメントに挑戦し、天才少女の名をほしいままにした。両手首の故障からスランプに陥ったが、ようやく復調の兆しが見えてきていた。第2ラウンドを終えた時は「安定したゲームをしている」と自信のコメントを残していた。

 05年サムスン世界選手権では、第3ラウンドのスコア過少申告が最終ラウンドのホールアウト後に分かった。ギャラリーの指摘が発端だった。またも不注意による失格劇。「もう起こらないと願いたい。いい勉強になった」とウィーは声を絞り出したが、ショックは大きいはずだ。