<女子ゴルフ:ゴルフ5レディース>◇初日◇5日◇岐阜・みずなみCC(6537ヤード、パー72)◇賞金総額6000万円(優勝1080万円)

 期待の大物新人が、プロデビュー戦で好スタートを切った。7月のプロテストに一発合格した森桜子(18=フリー)が3アンダーの69で回り、首位と3打差6位につけた。宮里藍(23)や原江里菜(20)らと同じ東北高出身で、日本女子アマ2勝の実力者。早くも大手広告代理店の博報堂とマネジメント契約した注目ルーキーだ。6アンダーの首位には原と前田久仁子(31)が並んだ。

 遼くんばりの「ポールター・ヘア」で、大物ルーキーが飛び出した。日本女子アマ2勝を誇る森が、69で回って6位発進。「あまりデビュー戦を意識せず、楽しめたと思います」。さらりと言ってのけた。

 ツアープロデビューに、スタート前はビビっていた。練習場で東北高の2年先輩、原に「すごく緊張してるんですけど」と「泣き」を入れると「サコなら大丈夫だよ!」と激励され、肩の力が抜けた。出だしの10番から連続バーディー。16番パー5では第3打を30センチにピタリ。7ホールで5個目のバーディーで一時首位に並ぶ快進撃だ。

 名前、外見、中身ととことん「個性派」だ。父大補(だいすけ=43)さんは、実は「花子」と命名しようとした。しかし「森花子というのも…。日本の花は桜。子がつく人は少ないし、1度聞いたら忘れないだろう」と「桜子」に決めた。

 ボーイッシュな短髪が自慢の1つだ。石川遼同様、英国の男子プロ、ポールターにあこがれ、髪をツンツンに。「マイはさみを持ってて、自分でも切ってるけど、月2回は美容院に行ってますよ」と母美祥(みあき=44)さんはいう。

 パットでは、左手親指と人さし指でグリップを挟むように握る独特の「クロウグリップ」。4月には朝4時起きでゴルフ場へ向かい、客のバッグを運ぶアルバイトを体験、裏方の苦労を学んできた。

 「見に来てくれるギャラリーを元気づけて、楽しんでもらえるような魅せるゴルフをしたい」。史上初のプロデビュー戦Vの夢も膨らむ。女子ゴルフ界に、また楽しみな新星が現れた。【木村有三】