<女子ゴルフ:日本女子オープン>◇3日目◇3日◇千葉・我孫子GC(6559ヤード、パー72)◇賞金総額1億4000万円(優勝2800万円)

 宮里美香(19=フリー)が公式戦(国内メジャー)最年少優勝へ、王手をかけた。7バーディー、5ボギーの70で回り、通算11アンダーの205で首位を守った。前半は出入りの激しいゴルフで、今季初のハーフでパーなしの珍記録だったが、終わってみれば2位との差を1つ広げて4打差と、独走態勢だ。親交のある巨人長嶋茂雄終身名誉監督(73)からの激励メッセージも心の支えにした。福嶋晃子(36)宋ボベ(韓国)が2位。宮里藍(24)ら9人が7打差の5位に並ぶ。

 のんびりした笑顔は最後まで変わらなかった。単独首位から出た宮里美は70で回って、2位との差を4打に広げた。「思ったより緊張はなく、普段通りできた」。日本を飛び越え、米ツアーでプロデビューした19歳は、公式戦の優勝争いにも、動じなかった。

 54ホール終了時点では大会新記録の通算スコア205をマーク。この日の前半は今季初のパーなしの珍記録も「ドタバタしたゴルフだったけど、アンダーパーで回れたので良しとします」と合格点を出した。

 帰国した9月28日、巨人の長嶋終身名誉監督から電話で「頑張りなさい」と激励された。父隆さん(59)の知人の紹介で、同名誉監督とは以前から会食するなど交流がある。2日目を終えた前日夜も、知人を通じて「明日からが勝負。攻めていけ」とメッセージをもらった。現役時代は知らないが、偉大な野球人であることは知るだけに「ミスター」からの言葉は心の支えにしている。

 19歳359日で日本女子オープンを制すれば、05年の宮里藍の20歳105日を超え、公式戦4大会を通じても史上最年少記録を更新する。73以内で回れば、大会最少ストローク記録も塗り替える。米国でもまれた19歳が記録ずくめの優勝に王手をかけた。【田口潤】