宮里藍(25=サントリー)が、ジュニア育成を目的にした「宮里藍カップ(仮称)」を計画していることが23日、分かった。5月に現役を引退した元世界女王ロレーナ・オチョアさん(28)が積極的な社会貢献活動を行っていたことに感銘を受け、日本でのジュニア育成活動に、本格的に乗り出す。

 きっかけはメキシコの英雄だったオチョアさんの存在。母国でチャリティー活動に積極的に携わり、ジュニア育成だけでなく、地元の病院や学校建設のために自らの基金を活用するなど、プレー以外での行動も「女王」にふさわしかった。5月のオチョア引退試合となったトレスマリアス選手権で優勝し「ロレーナから学んだことはたくさんある。将来につなげていきたい」と話していた宮里。敬愛する親友に学び、行動を起こした形だ。

 まずはジュニア育成活動に着手する。秋以降に全国規模で予選を兼ねた「宮里藍カップ(仮称)」を開催。その大会上位者を対象に、12月に直接指導にあたるイベントを行う予定だ。08年から契約を結び、ソレンスタムさんの師匠でもあったメンタルコーチのピア・ニールソン、リン・マリオット両氏が参加する計画もある。実現すれば、18ホールすべてでバーディーを奪う「54ビジョン」の提唱者から、子どもたちが直接レッスンを受ける機会をつくることになる。

 これまでも日本では、ツアー会場でジュニアを指導することなどはあったが、自ら希望してイベントを開催するのは初めて。セーフウェー・クラシックで今季5勝目を挙げ、着実に「世界女王」への歩みを進めている。プレー外でも子どもたちへの伝道的役割を担うことで、名実ともにその称号に値する存在に近づく。