<男子ゴルフ:三井住友VISA太平洋マスターズ>◇2日目◇12日◇静岡・太平洋C御殿場C(7246ヤード、パー72)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

 宮本勝昌(38=ハートンホテル)が1イーグル、7バーディー、5ボギー、1ダブルボギーの70で回り、通算6アンダー138で今田竜二(34)とともに首位に立った。師匠の芹沢信雄(51)が前週シニアツアー初優勝。「TEAM

 SERIZAWA」のメンバーとして刺激を受けた。パーがわずか4ホールと出入りの激しい「ジェットコースターラウンド」だったが、集中力は切らさなかった。

 スコアシートに「◎」「○」「△」「□」が並ぶ。宮本がパーで終えたのは4ホールだけだった。「スコアカードを見てびっくりした。大暴れだね。パー4つはすごい。初めてかも」と苦笑いだ。

 14年前から師事する芹沢が前週富士フイルムシニア選手権でシニアツアー初制覇。レギュラーツアーを含め、約10年ぶりの優勝だった。スランプになると同じ御殿場市内にある自宅に押し掛けるが、どんなときも時間を割いて指導してくれる。一方で左肩のケガでシード落ちするなど、苦しむ姿も間近にしてきた。芹沢の51歳の誕生日だった開幕前日10日の祝勝会では感激で涙が止まらなかった。

 「オレができたんだ。あきらめるな」との師匠の言葉はチームのメンバーの胸にも響く。宮本以外でも、上井は3打差6位に順位を上げた。藤田は18位に落とすも賞金ランク3位から逆転を狙う。前週優勝の勢いに乗る芹沢自身も51位で目標の予選突破を果たし、弟子に手本を示した。

 宮本は6月の国内メジャー、日本ツアー選手権を制し、5年シードも獲得。現在賞金ランクは13位。欲がなく、優しい性格を知り尽くした芹沢からは「賞金ランクのベスト10に入れ」とノルマを課せられる。地元御殿場で師匠に続く決意は強い。【田口潤】