<男子ゴルフ:日本プロ日清カップ>◇最終日◇15日◇兵庫・小野東洋GC(7158ヤード、パー71)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

 プロ16年目の河井博大(39=フリー)が、国内メジャーで涙のツアー初優勝を飾った。首位タイスタートの最終日、■相文(24=韓国)との競り合いの中、神懸かったパットを連発。4バーディー、1ボギーの68で通算9アンダーまでスコアを伸ばし、2位以下を2打差で振り切った。2度のシード落ちを経験。一時はゴルフをやめようと思った田中秀道(40)の愛弟子が、大輪の花を咲かせた。

 愛弟子の優勝に、田中も泣いた。前日はあえて、何も話さず、この日朝にパッティンググリーンで声をかけた。「お前は絶対に勝てないから。絶対に、絶対に勝てないからね」。超極端な“逆ハッパ”で重圧から解放させたかったという。

 「不器用で、膨大な練習で正確なショットをつくり上げた。いつでも90点のショットが打てる。『ロボットに一番近い選手』と言うか『テストマシーン河井』ですね」と評する。

 自身はシード落ちの身。06年まで5年間の米ツアー参戦で故障が増え、今季も4月のつるやオープンで左膝を痛め、今大会は48位だった。「河井、(もう1人の弟子の)富田(雅哉=33)と戦えるようになりたい。『オレはお前たちに負けてない。勝手に落ちただけだ』と言ってやりたい」と巻き返しを誓った。※■はナベブタに裴のナベブタを取る