<米女子ゴルフ:HSBC選手権>◇2日目◇24日◇シンガポール・タナメラCC(パー72)◇賞金総額140万ドル(約1億1200万円)優勝21万ドル(約1680万円)

 初日7位タイだった一昨年覇者の宮里藍(26=サントリー)が、4位タイに浮上した。気温、湿度ともに高く、蒸し暑い気候にも負けずに粘りのプレーをみせ、4バーディー、2ボギーの70で回ってトップと3打差の通算5アンダーとスコアを伸ばした。通算8アンダーで首位タイとなった新星ジェニー・シン(19=韓国)の躍進にも大きな刺激を受けながら「いい位置にいる」と2年ぶりの大会制覇を射程圏内にとらえた。

 少ない好機でスコアを伸ばした。3番でバーディーを奪った宮里は5番でボギー。不安定なままで迎えた6番パー4。ピンまで約12メートルのバーディーパットを沈め、右拳を握った。後半は我慢の展開。特に17番パー4の第2打はクラブ選択をミスし、グリーンで止まらずにバンカーに入れた。ボギーとなったが「しっかり気持ちを切り替えた。ゴルフにミスはつきもの。ショットでチャンスをつくることはできなかったが、パットでカバーできた」と納得の表情を浮かべた。

 気温32度、湿度79%と蒸し暑さとの戦いは、過酷を極めている。初日首位のスタンフォード(米国)も2つしかスコアを伸ばせなかった。そのスタンフォードとともに首位タイのシン、フューチャーとは3打差の4位。宮里は「シンガポールで、とても楽しく過ごせている。後半は我慢が続きましたが、トータル的には自分のゴルフができました」と前向きに話した。

 新星の大躍進も大きな刺激になったようだ。この日、6バーディー、1ボギーで首位タイとなった19歳のシンについて、外国人リポーターから質問された宮里は感情たっぷりに答えた。「19歳なんて信じられない。いつか一緒にプレーできたらうれしい」と、7歳年下のシンにエールを送りながら自身の発奮材料にした様子。宮里は「(優勝争いは)まだ分からない。いい位置にいると思います。明日はアグレッシブにいきたい」。2年ぶりの今大会Vを強く意識していた。