<女子ゴルフ:アース・モンダミン・カップ>◇第2日◇27日◇千葉・カメリアヒルズCC(6516ヤード、パー72)◇賞金総額1億4000万円(優勝2520万円)

 原江里菜(26=NEC)が6バーディー、2ボギーの68で回り、通算7アンダー137の2位に浮上した。今季14戦出場でトップ10が5回、予選落ちなしと屈指の安定感。しかし連戦で精神的な疲労がたまっていたため、あえて事前の練習を大幅にセーブした。“ほぼノースロー調整”が奏功し、上位に進出。新鮮な気持ちで長丁場の4日間大会を戦い抜き、08年以来のツアー2勝目を狙う。

 バーディーの喜びをかみしめながら、グイグイとスコアを伸ばした。14番パー5。原は手前から10メートルのバーディーパットを沈め、勢いに乗った。「取りたいロングなのに、だいぶ距離を残してしまってがっかりした。そこでバーディーが来たので、流れがかなり良くなった」。17、18番とショットをピンに絡め、連続バーディー締め。好位置で4日間大会を折り返した。

 今週はあえて、練習量を大幅に減らした。「心の疲労というかマンネリというか、先週のニチレイレディースではバーディーを挙げてもうれしくないし、ボギーを打ってもカーッと来なかった」。練習ラウンドは23日の9ホールのみ。翌24日は一切クラブを握らず、開幕前日の25日もショット練習のみで切り上げた。

 「今週はバーディーで集中力が高まるようになったし、流れに乗れる」。いい意味で感情の起伏が生まれ、スコアを伸ばす波がつくれるようになった。もともと安定感はツアー屈指。大会終盤での爆発力さえ加われば、6年ぶりツアーVも近くなる。

 7月10日開幕の全英リコー女子オープンでも、活躍が期待される。「サッカーの日本代表は海外組がチームを盛り上げていた。でもゴルフは国内ツアーも観客が多いし、海外に負けない魅力があると思う」。昨年の全英でも佐伯、比嘉ら国内ツアー組が優勝争いを引っ張り、宮里藍ら米ツアー組を大きく上回る7位に入った。今年は原が国内ツアー組の中でも、特に活躍を期待される存在。今大会で弾みをつけ、海外メジャーに乗り込む。【塩畑大輔】

 ◆原江里菜(はら・えりな)1987年(昭62)11月7日、愛知県生まれ。10歳で本格的にゴルフを始める。東北高で高校選手権、日本ジュニア優勝、世界ジュニア2位。東北福祉大2年だった07年にツアープロ転向。08年のNEC軽井沢72で初優勝。164センチ、60キロ。