<男子ゴルフ:ダイヤモンド・カップ>◇第1日◇25日◇茨城・大利根CC西C(7117ヤード、パー71)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

 藤田寛之(45=葛城GC)が3バーディー、ノーボギーの68で回り、首位と2打差の2位と好発進した。ラフの長さ平均10センチを超えるセッティングに加え、雨風が強かった早朝スタート組に入る難しい状況だったが、得意のアプローチ、パットでピンチをしのいで、スコアをまとめた。昨オフから抱える左肩の腱炎(けんえん)を注射でおさえながら、単独トップとなる今季3勝目、さらには2度目の賞金王を狙う。

 最終9番パー4。藤田は第2打を9番アイアンで6メートルにつけ、バーディーで第1ラウンドを締めくくった。「危ないところもあったけど、何とかパーを拾いながらいけたのが良かった」。非常に長いラフが、雨を含んで重くなった難しい状況の中で、かえって持ち前の技術、粘りが光った。

 スタートの10番パー4から第1打が右ラフにはまり、バンカーからの第3打もピンまで2メートル残ったが、しぶとくパーセーブ。16番パー4でも3メートルのパーパットをねじ込んだ。先週優勝の同組宮本をして「どこからでもパーをとる。ラフから出しても、グリーンを外してもパー」と言わしめた。

 「ラフには入れたくなかった。左肩が痛いので」と藤田は言う。左肩の腱炎が、先週の試合中に悪化。今大会は会場入り前に、東京で炎症をとる注射をしての強行出場だ。「本当は注射は打ちたくない。根本的に痛みを取りたい。でも我慢しているうちに、ひじや手首にも痛みを感じだした」と明かした。

 決して万全ではない。それでも名匠井上誠一設計の難コースでは、的確なマネジメントと高い技術が際立ち、自然と優勝争いに加わる。東京よみうりCCでの日本シリーズJT杯、札幌GC輪厚CでのANAオープンなど、通算4勝を挙げている。左肩の痛みがより強かった先週のANAオープンでも、優勝争いの末に8位に入った。得意のコースで、シーズン3勝目を狙う。【塩畑大輔】