F1で史上最多の7度の年間総合優勝を誇るミハエル・シューマッハー(40=ドイツ)が、来季から約4年ぶりに現役復帰する。今季のF1製造者部門年間王者ブラウンGPを引き継いだメルセデスが23日、3年契約を結んだことを発表。シューマッハーも電話会見で「3年間の充電期間を終え、エネルギーを取り戻した。真剣勝負の準備はできている」と話した。ドイツ紙ビルトの報道では年俸は700万ユーロ(約9億1000万円)。来季開幕戦のバーレーンGP(3月14日決勝)でレース復帰の予定。

 メルセデスのロス・ブラウン代表とは90年代から00年代半ばにかけてのベネトン、フェラーリ時代にコンビを組み、黄金時代を築いた。今年の年間王者バトンの離脱が決定的となった11月末に、同代表から復帰オファーを受けた。若手時代にドイツでメルセデスの支援を受けていたこともあり、恩返しの思いも込めて復帰を決断したという。来季はニコ・ロズベルグ(24)とドイツ人コンビで臨む。

 シューマッハーは06年に引退。今夏、フェラーリのマッサが負傷欠場した際、代役で復帰する計画が浮上したが、2月のオートバイ事故による首痛で断念した。だが、すでに首は完治。「100%問題ない」と本人も説明し、不安説を一蹴した。

 メルセデスのフライCEOは契約前「シューマッハー復帰は新たに世間の注目を集められる」と波及効果を期待していた。BMW、トヨタなどの撤退で暗い話題が続いた中、「皇帝」の復帰はF1人気復活の起爆剤になりそうだ。