W杯でついた火が、徐々に勢いがなくなってきていると感じる。波をうまく活用できなかった。

 22日にバスケットボール・Bリーグの開幕をテレビで見た。プロモーションがすごかった。華やかな演出も、ゴールデンタイムに地上波で放送するのもそう。本気なんだ、盛り上げるんだという覚悟が伝わってきた。超満員の観客を見て、バスケットボールは成功するな、絶対人気上がるなと思った。ラグビーでもやり方はたくさんあると思う。

 昨年のW杯で、世界で勝つ難しさ、世界と戦うために必要なものを初めて日本代表が認識できたと思う。次は代表の土台になるトップリーグのレベルアップが欠かせない。エディーさんは代表を強くした。ただ本来、代表は強化するところではない。優れた選手を集めて、能力をいかに発揮させるかを考えるところ。日本ラグビー全体が世界を目指さないと。サントリーの今年のスローガンに、「インターナショナルスタンダード」を入れた。常に国際基準を目指す。それがグラウンドにいる僕らの責任。

 日本人選手はラグビーの理解度や対話力が課題。チーフスやハイランダーズ(ともにニュージーランド)などオールブラックスの選手がいるチームにいくと彼らが常に引っ張っている。練習姿勢もミーティングでの発言でも積極性が強い。日本人が伸びる出発点はそこにある。トップリーグで満足してはいけない。選手、スタッフももっとハングリー精神が必要だ。(おわり)

 ◆沢木敬介(さわき・けいすけ)1975年(昭50)4月12日、秋田県男鹿市生まれ。秋田経法大付高-日大-サントリー。現役時代はSO。U-20日本代表ヘッドコーチ、エディー・ジャパンのコーチ歴任。代表キャップ数7。