1カ月で1000万円ゲット-。リオデジャネイロ五輪競泳男子400メートル個人メドレー銅メダルの瀬戸大也(22=JSS毛呂山)が18日、W杯アジアシリーズ出場のため、羽田空港から大会開催地シンガポールへ出発した。21、22日にシンガポール、25、26日に東京(東京辰巳国際水泳場)29、30日に香港大会に出場する。

 8月のリオデジャネイロ五輪では萩野公介(22=東洋大)に金メダルを奪われ、自身は銅に終わった。予選で自己ベストを出したが、勝負の決勝ではスタミナ不足でライバルと勝負にならなかった。悔しさから、当初はメンバー外だったW杯の出場を決意。先月末のW杯中東シリーズから緊急参戦し、3大会で400メートル個人メドレーなど6種目で優勝した。

 W杯は賞金大会。中東シリーズでは優勝賞金とボーナスを含めて約450万円を獲得した。今回のアジアシリーズも3大会。100、200メートルバタフライ、100、200、400メートル個人メドレー、200メートル自由形の6種目に出場する。「前回シリーズと同じくらいの賞金は獲得したい」と瀬戸。仮に同等の賞金なら計900万円。1000万円到達も決して夢ではなくなる。

 もちろん、今回の真の目的は賞金ではなく、4年後の東京五輪でのリベンジに向け、心身ともにタフさをつけること。16日には地元の埼玉・毛呂山町の凱旋(がいせん)イベントで馬に騎乗しながら弓矢で的を射る流鏑馬(やぶさめ)に挑戦し、見事成功させた。その後は都内の練習場で2時間半かけて8400メートルも泳いだ。疲労は蓄積したが「近代5種みたいだった」と笑う余裕がある。タフな心と打たれ強い肉体は確実に強化されている。