羽生の「五輪連覇プラン」が見えてきた。ソチ五輪フィギュアスケート男子シングル金メダリストの羽生結弦(21=ANA)が18年平昌五輪での連覇へ向け、来年2月15日に本番会場の韓国・江陵アイスアリーナで開幕する4大陸選手権に出場する意向があることが27日、分かった。ここ3シーズンは見送っていたが、五輪を見据えテスト試合に臨み、リンクを体感する。

 平昌五輪まで、あと1年と3カ月弱。アジア人初の連覇を狙う羽生の入念な計画が見えてきた。まずは来年2月の「プレ五輪」4大陸選手権への出場だ。本番会場の江陵アイスアリーナで同時期に行われるため、氷の感触や、会場内外の雰囲気などを感じるために出ておきたい大会。14年ソチ五輪でも、同地で行われたプレ大会グランプリ(GP)ファイナルを経験していた。GPシリーズNHK杯連覇、6季連続のGPファイナル進出決定から一夜明けた27日、関係者は「五輪で勝つためにやってきているのだから当たり前」と出場への意欲を明かした。

 4大陸選手権はアジア、米国、オセアニア、アフリカの選手で争う大会で、日本では年末の全日本選手権10位以内から代表が選出される。羽生は東北高1年の11年に初出場し、2位でシニア初表彰台に上がった。だが、13年を最後にここ3シーズンは世界選手権を優先し、見送ってきた。3月にヘルシンキで行われる世界選手権は五輪の枠取りと同時に、13-14シーズン以来3季ぶり優勝もかかる。それでも今季は五輪連覇を見据え、その1カ月前の4大陸選手権も重要視する。

 五輪本番への準備は別のアプローチからも始めている。平昌五輪は、放送権の関係でフィギュアスケートでは珍しく夜ではなく、午前中に競技スタート予定。時間に対応できるよう、羽生は契約する寝具、食品などのメーカー担当者と「相談しながらプランを立てている」と明かした。金メダルへ、着々と準備を進める。

 ◆4大陸選手権 98-99年シーズンに創設された欧州を除く米、オセアニア、アジア、アフリカの4大陸の選手による大会。欧州選手権などと同等の扱い。日本は過去、男子シングルで6度、女子シングルで10度の優勝を誇る。