2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は17日、各国オリンピック委員会(NOC)に対して大会概要を説明する「NOCビジット」を開き、日本の競技団体に初めて説明会を行った。集まった場所は選手村整備地である東京・晴海埠頭。多くのクレーン車が工事を進める中、日本オリンピック委員会(JOC)や34の競技団体が説明を受けた。

 JOC強化本部副本部長の高田裕司氏は「できれば日本選手に使いやすく、有利な形にしてほしい」と希望。バレーボール女子日本代表の中田久美監督は「現役時代はできあがったところに入っていたが、監督として準備段階で説明が聞けて良かった」と述べた。日本水泳連盟常務理事の上野広治氏は「私どもの競技は決勝が夜なのか朝なのかで変わるので、それによって検討したい」と懸念材料を挙げた。

 組織委によると「NOCビジット」は昨年11月から随時開催し、利用した国は米国、英国、フランス、オランダ、スウェーデン、カナダ、ブラジル、オーストラリア、ニュージーランドなどで、日本が20カ国目。約1週間に1度のペースで訪問予定があるという。

 過去の大会でも選手村の居住区画について「食堂に近い」「バス停に近い」「静かな場所」などと各NOCで希望がさまざまあった。東京大会でも今後、その調整をしていく。

 選手村の内部仕様は現在、組織委などで検討中。組織委NOC・NPC(各国パラリンピック委員会)部長の小林亨氏は「地元なのでどれだけ日本チームをサポートできるか。それができれば、日本だけでなく他のチームにも及ぶサービスレベルになる」と意気込んだ。