フィギュアスケート平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)男子銀メダリストの宇野昌磨(20=トヨタ自動車)が20日、世界選手権(21日開幕、ミラノ)の公式練習後に取材に応じ、持ち前の素直な発言で笑いを誘った。

 世界選手権はフィギュアスケート競技における最高峰の大会。だが、今回の男子シングルでは平昌五輪金メダリストで昨季王者の羽生結弦(23=ANA)が右足首の治療のため欠場。さらに平昌銅メダリストで15、16年王者のフェルナンデス(スペイン)、ソチ五輪銀メダリストのパトリック・チャン(カナダ)も不在と、表彰台常連の先輩スケーターらがいない。そんな状況を宇野は「素直に言っていいんですか」と前置きをした上で、「グランプリ(GP)シリーズみたいな感じです」と、シーズン中の“平場”の試合に例えた。

 また、家族に預けるとしていた五輪の銀メダルの保管場所を問う質問には「メダルってものが、あんまり…」ともごもご。どこにあるか把握していない様子で、「五輪のことはもう、あんまり。良かったことにとらわれても得るものはない」と、過去を振り返らない姿勢を示した。

 宇野にとっては、五輪や世界選手権などの大舞台も、他の試合もすべてが等しく「試合」。それは裏返せば目の前の1つ1つの試合に全力で臨むという姿勢でもある。今回は大きな国際大会での初タイトルがかかるが、まだ調子が上がらないため、「そういうことを考える余裕がないです」。とにかく「頑張るに尽きる」と自分を鼓舞した。