2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は24日、選手村に導入する寝具を発表した。組織委によるとオリンピック(五輪)史上初とみられる段ボールのベッドフレームが特徴。耐荷重は約200キロで、難燃性試験にも合格しているという。

幅90センチ、長さ210センチ、高さは40センチ。幅は一般的なビジネスホテルのベッドより狭いが、国際オリンピック委員会(IOC)の要件通りだという。長さは長身対応で20センチ分の追加が可能。

マットレスはポリエチレン100%で、肩、腰、足部分が3層構造になっている。その3層が裏表で硬さが違うため、各選手の体形に合わせ、カスタマイズできる仕組みになっている。

寝具を開発したエアウィーヴ社の高岡本州会長は「重量級の選手は腰が重い。柔らかいマットだと腰が沈んでしまう。一方で、硬いマットだと沈まずに脊髄が真っすぐになって、寝返り抵抗が少なくなる」と説明。研究結果から「良い寝具で寝ると運動効果も上がる」とし、「選手にとって最高の寝具環境をつくっていく」と話した。

組織委の選手村責任者、北島隆ビレッジゼネラルマネジャーは「東京大会のテーマである持続可能性を、この寝具が体現している」と評価。段ボールフレーム、ポリエチレンマットレス、羽毛を使わないポリエステルとレーヨンの掛け布団などが全て、リサイクル可能とし、環境への配慮をアピールした。

東京都中央区晴海の選手村には約1万8000ベッドを導入する。パラリンピック時に必要とされる8000ベッドは、五輪のものを利用する。【三須一紀】