日本水泳界の新エースの水着に“注文”が付いた。競泳男子200メートル背泳ぎで今月10日に世界新記録を出した入江陵介選手(19=近大)が着用したデサント社製の水着が、国際水泳連盟(FINA)の認可リストに含まれていないことが20日、明らかになった。入江の世界記録公認もつまずいた形となり、水泳界に驚きと困惑が広がった。

 入江選手が着用した水着を開発したデサント社は、FINAからの審査結果通知を受け、同日朝から東京都内のオフィスで対応に追われた。関係者は少し慌てた表情で「水着担当者が会議に入っており、対応できない」と説明。中西悦朗社長が「着用していただいた選手の皆さんには、大変ご迷惑をお掛けすることとなり、誠に申し訳なく思う」とのコメントを文書で発表した。

 4月に男子100メートル自由形で世界記録を出したアラン・ベルナール選手(フランス)が着た水着を開発したアリーナ社に素材を提供している大阪市の山本化学工業には、午前中から問い合わせの電話が殺到。森本雅彦執行役員は「ベルナール選手の使った水着の件については、現在アリーナ社に問い合わせ中。もし認可されないというなら理由は分からない」と語った。