<柔道:全日本選抜体重別選手権>◇最終日◇13日◇福岡国際センター◇男女各7階級

 五輪代表選手の会見に居並んだ女子48キロ級の福見友子(26=了徳寺学園職)は、晴れやかな表情で言った。「代表発表で名前を呼んでいただいたとき、これからロンドンで頑張るんだという強い気持ちになった。もちろん金メダルしか考えていない」。笑みがこぼれた。五輪代表争いの長き戦いに終止符が打たれた、安堵(あんど)の笑みだった。

 浅見八瑠奈(24=コマツ)に次ぐ2番手として迎えた今大会。初戦をけさ固めで一本勝ちすると、準決勝では昨年女王の山岸絵美(三井住友海上)を横四方固めで下した。盤石で迎えた決勝は、浅見を破った高校生の岡本理帆(藤枝順心高)。決め手は欠いたが「自分自身に負けたくなかった」。最後は気迫が、3本の旗を自分に上げさせた。

 そして、浅見の初戦敗退もあって大逆転で、五輪切符獲得。「必ず金メダルを取りたい」。かつて谷亮子を2度破りながらも、実績不足で後塵(こうじん)を拝していた福見がやっと、「五輪」という日の目を浴びることとなった。