国際オリンピック委員会(IOC)が29日の理事会で、2020年夏季五輪で実施する残り1競技の最終候補にレスリングと野球・ソフトボールを選んだことを受け、これらの競技が盛んな国の担当者らは「当然だ」などと歓迎した。

 ロシア・レスリング連盟のマミアシビリ会長はインタファクス通信に対し「歴史や極めて多いファン人口を考えれば(9月の最終絞り込みに)希望を持てる」と話し、存続に自信を見せた。

 レスリング存続を訴えるため、選手団が断交状態にある米国を訪れた強豪国イランでは、国営メディアなどがIOC決定を短く報じた。

 一方、今年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)後、野球人気が復調してきた台湾。台湾野球協会の報道担当者は「当然の結果だ」と語り、最終選出に当たっては「政治的な要素に影響されるべきではない」と述べた。

 キューバのオリンピック委員会の役員ペドロ・カブレラ氏はこれら2競技の選出に「順当な判断だ」と高く評価する一方、1競技しか最終的に選ばれないことについて「IOCはもっとわれわれの主張を聞いてほしい」と訴えた。