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浅尾が妹の形見胸に決勝T/ビーチバレー

浅尾は妹の形見のペンダントを見つめる(撮影・太田尚樹)
浅尾は妹の形見のペンダントを見つめる(撮影・太田尚樹)

<ビーチバレー:JBVグランドスラムふくい杯>◇初日◇13日◇福井・美浜町水晶浜◇1次リーグ

 「ビーチの妖精」浅尾美和(22=エスワン)が妹の死を乗り越え、再出発を果たした。西堀健実(27)とのペアで1カ月ぶりの実戦に臨み、1次リーグ2連勝で決勝トーナメント進出を決めた。8月に交通事故に遭った妹美紀さん(享年17)が5日に死去。大きな悲しみを背負いながら、左腕に喪章、形見のペンダントを胸に、愛する妹へ勝利をささげた。4年後のロンドン五輪出場を目指して、浅尾が再スタートを図った。

 天国の妹と一緒に戦った。浅尾が砂浜を跳ねるたび、シルバーのペンダントがきらめいた。生前に美紀さんへプレゼントした思い出の品。「妹も見てくれている」。左腕には喪章も巻いたが、ビーチの上では悲しみをのぞかせることなく、無理にでも笑ってみせた。

 1次リーグ2戦とも2-0の圧勝。1カ月ぶりの復帰戦を飾った。「自分たちの良さは元気に笑顔でプレーすること。いろんなことがあったけど、言い訳にしたくなかった」。試合後の会見では瞳に涙が浮かんだが、泣きだしそうになるのを必死でこらえた。

 5日に最愛の妹の最期をみとり、7日に告別式を終えたばかり。周囲からは「無理しなくていい」と勧められたが「私が頑張ることが残された家族への励ましにもなるし、何より美紀への一番の供養になる」と出場を直訴したという。7月のジャパンレディースで悲願の初タイトルを手にした時、誰より喜んでくれたのが美紀さんだった。天国へ勝利を届けたかった。

 今大会に向けて練習できたのは11日の1日間だけ。この日朝には貝殻を踏んで足の裏を切るアクシデントもあったが、気力で乗り切った。西堀も「今まで以上のプレーができていた」と目を見張った。

 キャスターとして訪れた北京五輪ではビーチバレーやソフトボールなどを観戦。親しい知人たちに「4年後は私がインタビューされる側になる」と誓ったという。「いろんな意味で忘れられない夏になった。強い気持ちでロンドンへ向けて出発したい」。天から降り注ぐ温かな光が、涙を乾かしていった。【太田尚樹】

 [2008年9月14日10時7分 紙面から]


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