<女子テニス:東レ・パンパシフィック・オープン>◇16日◇東京・有明テニスの森公園

 世界162位の森田あゆみ(18=キヤノン)が、初出場初勝利を金星で飾った。昨年全米ベスト8で、同19位のアグネシュ・サバイ(19=ハンガリー)に6-7、7-5、6-4、2時間25分の熱戦の末に競り勝った。中村藍子(24)は初戦で敗れ、ダブルスでは第1シードの杉山愛(33)組が敗れる波乱があった。

 森田の挑戦が、ようやく結果につながった。今年はすべて上位レベルの大会に挑み、負け続けた。自信を失いかけたが、ようやく開き直った。「自分の試合をするだけ。ベストを尽くしたいとだけ思っていた」。今大会初出場を、初めてトップ20の選手を破る金星で飾った。

 サバイには、今年の全仏初戦で、最終セット3-0から逆転負けを喫していた。ジュニア時代から競い合った仲で、お互いに手の内を知り尽くしている。この日も、森田が10回、サバイが12回もサーブを落とす乱戦。最終セットで1回だけサーブをキープした森田が、試合を制した。

 今年の初めの世界ランクが138位。ツアー下部大会とツアー大会をバランスよく回るのが普通だが、経験を積むため、あえて高いレベルのツアー大会だけに挑戦した。「勝てそうな試合を落としてばっかり。自信がなくなった」。挑戦者の気持ちで向かうはずが、欲に変わってしまった。

 05年に15歳で全日本に優勝。天才少女と騒がれた。向かうところ敵無しで、強打で敵をなぎ倒した。その森田が初めてぶつかった厚い壁だった。「これまで順調に来て悩んだりしたことがなかった」。ようやく壁を破った森田が、大きく羽ばたく1勝を挙げた。【吉松忠弘】