バドミントンの女子ダブルスの人気ペア、小椋久美子(25)潮田玲子(25=ともに三洋電機)組が、コンビ解消を発表した。11日、都内で会見を行い、潮田が現役続行を表明したが「12年ロンドン五輪は見えない」と話し、五輪挑戦を目指す小椋と目標に違いができたことが最大の理由。容姿と実力を兼備した「オグシオ」は、00年の初コンビ結成から9年で解散する。13日開幕の全日本総合選手権が最後の試合となる。日本リーグなどの団体戦では、三洋電機の一員として、組む可能性はあるという。

 潮田の揺れる気持ちが「コンビ解消」の引き金になった。この日、来季の現役続行を宣言したが、ロンドン五輪については「今は考えられない」。「ロンドン五輪を目指したい」と表明していた小椋と、展望にズレが生じた。「(小椋と)目標が変わってしまったというのが大きな理由」。潮田は寂しそうに言った。

 5位に終わった北京五輪後、2人は約1カ月近い休養を取った。その後、スタッフらと今後について話し合った。小椋は1カ月前にロンドン五輪を目指す結論を出したが、潮田は「バドミントンを好きという気持ちはあるけど、どこまでやっていけるか」と五輪はもちろん現役続行についても悩み続けた。

 一方で三洋電機の喜多監督は「レベルを上げるためにも、何の刺激もなく(ロンドンに)行ってしまうのは良くない」と発展的解消を強調。10月の日本リーグ初戦後に2人と三洋電機スタッフはコンビ解消を決めていた。すでに水面下で小椋の新パートナー探しは進んでおり、来春、三洋電機に入社予定の日本代表、内藤真実(日体大)が有力視されている。

 小椋と潮田はまだ高校生だった00年に代表合宿に初招集され、初めてペアを組んだ。「一緒に五輪に出たい」を合言葉に長い時間一緒に闘ってきた。2人の願いは北京でかなったが「一区切りがついて、その先のことが考えられなくなった」と潮田。5連覇を目指す全日本総合が個人としては最後となる。【吉松忠弘】