<男子バスケットボール・日本リーグ:アイシン101-71レラカムイ北海道>◇11月30日◇愛知・ウィングアリーナ刈谷

 レラカムイ北海道はアイシンに71-101で敗れ、11月全敗となる8連敗を喫した。水沢佳寿子社長(46)は、この日の内容次第で東野智弥監督(38)更迭も示唆していたが「勝ち負けや点差はともかく積極的な姿勢は感じさせてくれた」と、今季の解任は否定。東野体制で残り19試合を乗りきることになった。

 社長の発言に端を発した迷走劇は、選手を不用意に動揺させたあげく、最後はもとのさやに収まった。「何かを変えることのデメリットの方が大きい」と水沢社長。自ら監督去就を決める「ラストチャンス」と銘打った試合は30点差敗退と後味の悪いものだったが、現実的に監督更迭がもたらすひずみを無視するわけにはいかなかった。

 同監督解任はチーム崩壊をも意味する。北海道の柱でもある折茂は、同期の東野監督を慕い昨季トヨタ自動車から移籍。今季新加入で、主力として奮闘する朝山、山田は、その折茂自身がチーム強化の一員として獲得交渉にあたった。東野監督の求心力も強く、監督1人が抜けることで折茂以下、主力選手を一気に失いかねない。クラブ事務所にも監督続投を臨む電話が複数寄せられるなど、最下位ながらファンの人気も依然強い。

 同監督自身も「集まってくれた仲間と頂点を目指すと誓い合った。責任をまっとうしなければならない」と、今季は指揮を執り続けることを明言した。フロントの発言が思わぬ反響を呼んだドタバタ劇。早く迷いを振り払い、ホームで行われる6日のトヨタ自動車戦で結果を出すしかない。【永野高輔】