<フィギュアスケート:全日本選手権>◇25日◇長野・ビッグハット

 酒気帯び運転を反省した出場自粛で、2季ぶりの出場となった織田信成(21=関大)が、ほぼ完ぺきな演技を披露し、ショートプログラム(SP)で首位に立った。マークした86・45点は男子SPの国際スケート連盟(ISU)公認大会の今季最高得点を上回り、世界歴代3位相当となる高得点。GPシリーズ初優勝と今季急成長した2位の小塚崇彦(19=トヨタ自動車)に9・05点の大差をつけて初優勝に前進した。

 織田が、世界レベルの演技で他の選手を寄せ付けなかった。高得点が表示されると、思わず表情がゆるんだ。2位の小塚に大差をつけての首位発進に「今日の演技は(優勝した)NHK杯の時より気持ちが入っていた」と胸を張った。

 スタートから3種類のジャンプだけで、29・10点を稼ぐ最高の出来だった。冒頭の3回転半は「緊張があってゆがんでしまった」と反省したが、きれいに着氷。慎重になってややスピードを欠いたが、そのままの勢いで最後までほとんどミスなく滑りきった。

 成長著しい小塚との今季初対決。小塚は、織田が大会出場を自粛している間に、ぐんぐんと力をつけた。GPファイナルの表彰台という結果を残し今大会の優勝候補に躍り出た。織田も「(若手に)追われる気持ちが70%、30%は自分が追う気持ち」と、プレッシャーを感じてはいる。しかし、右ひざの負傷で欠場したエース高橋大輔(関大大学院)不在の舞台で力の差を示した。

 フリーでは、今季出場4試合で1度も成功していない4回転に挑む。「4回転を跳んで優勝したい」。GP通算3勝の織田も、全日本だけはタイトルがない。優勝への重圧はあるが「緊張をはねのけてこそ本物」と意気込む。復帰後5連勝中の勢いも大きな自信だ。織田は初優勝とともに今季の集大成を披露するつもりだ。【吉松忠弘】