北京五輪のレスリング男子フリースタイル55キロ級銀メダルの松永共広(28=綜合警備保障)が今秋からドイツ・ブンデスリーガに参戦することが27日、分かった。63年に創設された50年近い歴史を誇るリーグで、昨季4位の強豪メンブリスと仮契約を結んだ。日本レスリング協会関係者によると日本人選手の参戦は初めて。12年ロンドン五輪への挑戦は白紙だが、大きな経験を得るために松永が海を渡る。

 銀メダリストの松永が新天地に挑む。かねて世界でも数少ないリーグで長丁場を戦うブンデスリーガの存在を聞き、興味を抱いていた。北京五輪で一区切りつき、新たな挑戦には絶好の機会。知り合いを通じて、クラブに売り込みをかけ、32年の歴史を持つメンブリスとの仮契約にこぎつけた。4月から米国に留学中の松永は「世界でリーグがあるのはドイツとイランぐらい。地域密着で(レスリング)文化にも興味があった」と、喜びを口にした。

 関係者によるとドイツのレスリングのリーグは10部で構成され、頂点のブンデスリーガは1、2部。1部は24クラブが所属し、9月からリーグ戦、12月から2月ごろまでトーナメント戦と、毎週のように試合が行われる。松永と同じ階級で北京五輪銅メダルのベリコフ(ブルガリア)も他クラブに在籍するなど、レベルも高く、プロ契約を結んでいる選手もいるという。

 松永は食費、車などの提供を受け、給料などについては未定。日本レスリング協会関係者は「(84年ロス五輪グレコローマン52キロ級金メダルの)宮原厚次さんがコーチで参加したことはあるが、選手としての参戦は初めてだと思う」と話している。

 現時点では松永の12年ロンドン五輪への挑戦は白紙。「五輪ではストイックにやらないと勝てない。今、レスリングは楽しいが、また同じことができるかと考えたら答えられない」。その答えを探すためにも、ブンデスリーガ挑戦は貴重な経験になる。