被災地でアスリートと運動会を!

 北京五輪フェンシング男子フルーレ個人銀メダリストの太田雄貴(25=森永製菓)が4日、都内で提唱した。「遠征が落ち着いたら被災地を回りたい。フェンシングもしに行きたいけど、できるならほかのアスリートと子供らと一緒に運動会をしたい」。

 太田は競泳の北島康介や柔道の野村忠宏、ゴルフの有村智恵らと交流があり、ツイッターでもやりとりする。北島とは前日も会い、食事もする仲。「北島さんらは五輪スポーツのシンボル。彼らに立ってもらい、僕が最大限支える形にしたい」。一流選手と、徒競走やリレー、騎馬戦に玉入れ-。「すごく盛り上がると思う」と思い描いた。

 地震当日はドイツ遠征中で、何もできないもどかしさがあった。「何かがしたい」とこの日、東日本少年大会の中で小学生37人と一本勝負の慈善試合を行った。任意の参加費1000円以上を募り、義援金に回す企画。いきなり女の子に敗れて「素で負けた」と悔しがったが「彼らの笑顔が、大人たちを癒やしてくれました」。

 「彼らが笑顔になるために動きださないと」。9日のW杯(中国・上海)から始まる五輪ロードを前に、強く思った。【今村健人】