宇都宮ブレックスの2023-24シーズンが終わった。2度の逃げ切り機会を逸し、ダブルオーバータイムの激闘の末、ワイルドカードの千葉ジェッツに敗れた。
「みんな出し切った。こんなに最高のチームはない。感謝の気持ちでいっぱいです」
ロッカールームでの最後のミーティングを終え、記者会見場に現れた佐々宜央(さっさ・のりお)ヘッドコーチは、メガネを忘れて席についた。この日が40歳の誕生日。生涯、忘れられない日になっただろう。
確かに出し切った。特に、第1、2戦と相手の徹底マークに苦しんだエース比江島慎は意地を見せた。第3クオーター(Q)に2本の3ポイント(P)シュートを決め、ようやく吹っ切れた。第4Q残り1分24秒に勝ち越しの3Pを成功させると、ホームの日環アリーナ栃木はこの日一番の歓声に沸いた。
しかし…。残り24秒で追いつかれ、最初のオーバータイムも残り25秒で再び同点に。残り9秒でD.Jニュービルが放った3Pシュートはリングに弾かれた。20得点の比江島は2度目のオーバータイム途中にファウルアウトしてしまい、2月の天皇杯準決勝と同じく、最後までコートに立てなかった。
「プレーのことはほとんど覚えていない。お互い出し尽くした。リバウンドのところで差が出た」
比江島が指摘したように、勝利への執念でわずかに後れを取った。ディフェンスリバウンドは28対29と拮抗(きっこう)も、オフェンスリバウンドは15対22。象徴的だったのが、第4Q残り5分39秒、遠藤祐亮の3Pシュートで66-63と勝ち越した直後だ。ここで千葉Jは4連続してオフェンスリバウンドを獲得。これが原修太の連続3Pにつながり、宇都宮が逃げ切りに失敗する大きな要因となった。
全体勝率2位のアルバルク東京が琉球に破れ、中地区優勝で全体勝率3位の三遠もワイルドカードで上がってきた広島に連敗した。2シーズン前にワイルドカードから日本一になった宇都宮がそうだったように、レギュラーシーズンとCSの違いをあらためて思い知らされた。
バイスキャプテンの渡邉裕規は「ここで足を止めるわけにはいかない。今日、この結果を目に焼き付けて、来季やり返すしかない」と声を絞り出した。ブレックス史上、最高勝率で駆け抜けてきたチームでも届かなかった頂点。この悔しさをバネにして、再び前に進み始めるしかない。【沢田啓太郎】


