<シンクロナイズドスイミング:ジャパンオープン兼日本選手権>◇最終日◇5日◇東京辰巳国際水泳場◇チーム・フリールーティン(FR)ほか◇日刊スポーツ新聞社後援
チームFRで日本代表はテーマ「摩訶(まか)不思議ワールド」の演技で93・525を挙げ、テクニカルルーティン(TR)との合計185・770で優勝した。デュエットは日本代表の小林千紗(24)酒井麻里子(21)組が、五輪メダル候補のアンドレア・フエンテス、オナ・カルボネル組(スペイン)にTRとの合計で9点近い大差で2位。両種目とも、五輪でのメダル獲得は厳しい状況だが「高さと存在感」を磨いて本番での躍進を目指す。
国内初お披露目のFR「摩訶不思議ワールド」は、確かに観客を沸かせた。最初のリフトで足立が2回転で着水した瞬間は拍手が起きた。速い足技もTRより同時性が高まっていた。「今できることはやってくれた」と、花牟礼雅美チームリーダー(TL)はこの日の演技には一応及第点を出したが、五輪の舞台ではそうはいかない。
残り少ない五輪本番に向けて「マーメイドジャパン」が取り組む課題は多い。中でも「高さと存在感」は、チーム、デュエットとも最大の強化ポイント。今回、外国の五輪審判や国内の審判に、演技へのアドバイスをもらっている。「得点を上げるには、水面に出る上体の高さがないと存在感を出せないと言われている」と花牟礼TLはいう。
これまでも課題克服に、バストの上下、へそ、腰骨のラインに4本の横線を入れて色分けした重い水着を練習で着用。どこまで上体が飛び出すか、どこのラインでそろえるかなどを目視できるようした。「効果は出ているが、さらに重りをつけたりして鍛えていきたい」と花牟礼TLはいい「舞台やショーとか、畑違いの方に知恵を借りたい」と、策をひねり出す。
ロシア、スペイン、中国の3強を崩してのメダル獲得は容易ではない。代表は14日から合宿に入る。足立は「せっかくの出場権を無駄にしない。失うものは何もない」と気合を入れ、主将の小林も「(メダルの可能性は)1%もないかもしれないけど、挑戦したい」と言い切った。マーメイドたちが、大舞台で変身した姿をみせてくれるかもしれない。【赤坂厚】



