<競泳:ジャパンオープン>◇初日◇25日◇東京・辰巳国際水泳場
女子100メートル背泳ぎ決勝で、寺川綾(27=ミズノ)が59秒08の日本新記録で優勝した。4月の日本選手権の記録を0秒02更新し、今季世界ランク2位をキープ。悲願の58秒台、そしてロンドン五輪の表彰台へ弾みをつけた。男子200メートルバタフライの松田丈志(27=コスモス薬品)が1分54秒69で、男子100メートル背泳ぎの入江陵介(22=イトマン東進)は53秒30で、男子100メートル平泳ぎの立石諒(22=NECグリーン玉川SC)は1分0秒45で、それぞれ危なげなく制した。
ロンドンに向かう日本代表に、チーム女子最年長の寺川が勢いをつけた。前半から積極的に攻めた。絶好のスタートで飛び出すと、50メートルを28秒62。4月の日本選手権を0・20上回った。後半もぐいぐいと力強い泳ぎは落ちない。もはや相手はいない、完全な自分との闘い。飛び出したタイムは59秒08。自身が持つ記録を100分の2秒縮めた。
喜びは控えめに「ラスト15メートルの旗が見えてから、最後はどこを泳いでいるのか分からないくらいきつかった」。日本代表第2次合宿中での今大会。調整はせず、体力アップに主眼を置いた陸上トレーニングで体をいじめ抜いている。週2回の筋力トレに、週3回は泳ぐ前にサーキットトレを敢行。大半の代表選手が疲労がたまり低調な記録に終わる中で、日本記録を出したことに大きな意味があった。
平井ヘッドコーチは「女子の最年長選手として、自らオリンピックに向かっていく姿勢を見せてくれた」と評価し、目標とする58秒台が見えてきたことに「ズエワ(ロシア)、趙青(中国)。世界で戦う選手の顔が見えてきた」。五輪の表彰台へ手応えを示した。
この日の59秒08は今季の世界ランク2位で、昨年の世界選手権なら銅メダル(優勝は59秒05)。それでも寺川は「58秒台で泳ぎたい。まずは58秒9。そのタイムでもメダルの色は分からない。もっと前半と後半を上げていきたい」。世界の頂点を見据え、飽くなき挑戦心をあらわにした。【佐藤隆志】


