【ニューヨーク5日(日本時間6日)=吉松忠弘】テニスの全米オープンで日本男子として96年ぶりに4強入りした世界11位の錦織圭(24=日清食品)が、新たな“勲章”を手にした。大会記録を配信する米大手コンピューター会社IBMが、ベスト8に残った各選手の走行距離を発表。錦織が最も効率のいいフットワークとして1位に輝いた。

 準々決勝終了時点で各選手の5試合の合計走行距離を、戦った合計ポイント数で割ると、1ポイントの平均走行距離が出る。1ポイントを取るためにどのぐらいの距離をコート上で走り回っているかというのが分かる。コートの数カ所に置かれた固定カメラで選手とボールの動きを捉え、その映像をコンピューターで解析した。センターなど5つのコートに計測器がある。

 錦織は合計走行距離が9766メートルで、合計ポイントは615。平均走行距離は15・88メートルで、最も短い。世界1位のジョコビッチは17・8メートルで4位。4大大会歴代最多17度の優勝を誇るフェデラーは17・28メートルで3位だった。4強のチリッチは、2回戦が計測器のないコートだったため、順位からは除外された。

 つまり、錦織は相手の打つコースを予測することで、走る距離を最小限に抑えていることになる。世界のトップ選手が口をそろえて「最速で最高のフットワーク」と呼ぶ理由がそこにある。また、小柄な錦織が大型選手と互角に戦えるのは、その省エネ走法にも原因がありそうだ。

 ◆WOWOW放送予定

 7日25時25分~、8日5時15分~、WOWOWライブ。第14日女子決勝ほか。生中継。放送時間変更の場合あり。