バレーボールの日本男子が中垣内ジャパンとして16年リオデジャネイロ五輪を目指す。日本代表の次期監督に、元日本男子主将の中垣内祐一氏(44)が最有力候補に挙がっていることが10日、分かった。関係者によると「既定路線」という。04年から指揮をとった植田監督はロンドン五輪出場を逃したことで「進退は協会に預けている。ただ、ロンドンを区切りに戦ってきた」と、今季限りの退任が決定的だ。

 植田辰哉氏が監督に就任した05年に、中垣内氏を監督候補に挙げる関係者もいたほど、将来の日本を率いる人材として期待されていた。しかし、04年に現役を引退してVリーグの堺監督に就任したばかりで、指導経験もほとんどなく、時期尚早と判断された。

 その後、中垣内氏は監督として05~06年にVリーグ優勝。09年には日本オリンピック委員会(JOC)の指導者海外研修に応募。2年間、米国やブラジルでコーチングを学び、昨年、日本代表のコーチに就任した。指導経験を十分に積み、監督就任への機は熟した。

 熱血の植田監督とは対照的に冷静沈着が売りだ。分析能力にたけ、英語もできる。今回の代表でも植田監督と中垣内コーチは、チーム力向上に努めてきた。今季の日本代表は7月上旬までワールドリーグがあり、9月にはアジア杯にも出場する。そこが今代表の最終戦で、中垣内ジャパンは来季4月からのスタートが濃厚。正式には協会理事会(日時未定)で決定する。

 ◆中垣内祐一(なかがいち・ゆういち)1967年(昭42)11月2日、福井市生まれ。藤島高から筑波大に進み、在学中の89年に代表初選出。90年に新日鉄(現堺)に入社し、92年バルセロナ五輪に出場するなど、数々の国際大会で活躍した。00年シドニー五輪出場を逃した後に代表を退き、04年に現役を引退。同年から堺の監督を務め、05-06シーズンには優勝。09年5月に辞任。同年夏よりJOCのスポーツ指導者海外研修員として、米国やブラジルでコーチングを学んだ。11年4月に日本代表のコーチに就任。現役当時の最高到達点は346センチ。194センチ、94キロ。