<日刊3賞:殊勲賞>

 小結稀勢の里(22=鳴戸)が、「横綱キラー」を評価されて2年ぶり2度目の日刊3賞を受賞した。日刊スポーツ新聞社制定、日本相撲協会協賛の第51回大相撲年間3賞が27日、発表され、殊勲賞は朝青龍に2勝、白鵬に1勝した稀勢の里が受賞した。敢闘賞は新3役から2場所連続勝ち越しの把瑠都(24=尾上)、技能賞は初場所で新大関の日馬富士(24=伊勢ケ浜)が受賞。3力士には来年初場所(1月11日、両国国技館)の土俵で大銀杯と副賞50万円が贈られる。

 稀勢の里が意外そうな顔をした。「2場所も負け越しているのに(受賞して)いいんですか?」。だが08年の関脇以下での年間51勝は、日馬富士に次ぐ2位で、朝青龍に2勝、白鵬に1勝。実力の高さは十分に示している。

 今年の年始、親しい関係者には「年内に大関昇進を決めたい」と話していた。前頭筆頭の初場所で10勝、春は小結に復帰して8勝。夏には初めて3役での2ケタとなる10勝を飾った。だが名古屋では気合が空回りして6勝9敗。8月のモンゴル巡業で体調を崩し、秋場所中に腸捻転(ねんてん)で入院。病院から国技館に通う執念を見せたが、6勝が精いっぱい。それでも5日目に優勝した白鵬に唯一の黒星をつけた。

 九州場所では体調も回復し、初日から力強い相撲を披露した。「自分の形(左四つ右上手)を狙うだけでは勝ち続けられない」。師匠の鳴戸親方(元横綱隆の里)が「最初から右上手ではなく、前に出て押して流れで取れ」と指導されてきた。同場所では強烈なおっつけを武器に、まわしを取らないまま相手を押し出すこともあった。

 山あり谷ありの08年を終え、09年こそは大関昇進を決める思いは強い。「一緒にけいこしてきた日馬富士関が昇進したことが、刺激になってます。苦しい中で、この賞をいただけたことも励みになります」。若くて強い日本人大関誕生へ。初場所から22歳の稀勢の里が土俵の主役になる。【柳田通斉】