<大相撲夏場所>◇5日目◇14日◇東京・両国国技館
東前頭12枚目の高見盛(33=東関)が、幕内では自身初となる初日からの5連勝を飾った。同じ青森出身で同学年のライバル武州山(32)を寄り切って完勝。通算800回目の出場という節目の一番を白星で飾った。好調の理由として、初日から連続して同じ店で「ひとり焼き肉」の夕食を取り、髪も5日間洗っていないなどのゲン担ぎをあげた。横綱白鵬(24)は新小結鶴竜をすくい投げで下し、自己最長タイの25連勝。横綱朝青龍(28)も勝ち、1敗で4人の全勝力士を追う展開となった。
勝つと上を向いて花道を引き揚げる高見盛が、いつも以上に胸を張って支度部屋へと戻ってきた。必殺の右を差し、武州山を一気に寄り切り。「うまく入ってよかった。今日あたりに(連勝が)ストップするかなと思ったけど。自分でも信じられないよ」。幕内では初体験の初日からの5連勝に、いつにも増して滑らかに話した。
好調な理由については聞かれると「分からん」。だが、ゲン担ぎとして「勝っている時は同じ店に行くんだよ」と、部屋の近くにある焼き肉店「大東縁」で4日連続1人で夕食を取っていることを明かした。なぜ1人?
という質問には「だってオレの都合だから、付け人を連れて行ったらかわいそうじゃん!」と独自の?
焼き肉論を展開した。
メニューもリブロース塩焼き、コムタン、トマトサラダ、納豆冷麺と毎日ほぼ同じ。さらに故郷青森産のニンニクのごま油揚げでパワーをつけている。料金は1回5000円前後で、約30分で完食するという。また5日連続で頭を洗っていないというゲン担ぎも明かした。だが、こちらはさすがに床山に嫌がられたようで「頭、グチャグチャだから洗ってくれって言われたよ。明日、洗うよ」と困った表情を浮かべた。
無論、ゲン担ぎだけが好調の理由ではない。師匠の東関親方(64=元関脇高見山)は「今場所はあごが引けていて、足も前によく出ている」と分析する。現役時代、高見盛以上に人気者だった同親方は、今場所いっぱいで定年となる。その師匠に「花道」をつくってあげたい。高見盛は「お世話になったからね。(好調の理由は)それもあると思う」と話した。
この日の夜も「同じ店に行くよ」と言い残し、タクシーに乗り込もうとした。だが、ドアでメガネをぶつけて「アテッ!」。何をしても憎めない男が、今場所のダークホースになろうとしている。【山田大介】

