<大相撲初場所>◇7日目◇16日◇東京・両国国技館
横綱朝青龍(29=高砂)が親交のある野村夫妻に白星を贈った。対戦相手は横綱土俵入りで露払いとして従える同門の北勝力。仕切りから何度もにらみ合った。「にらまれて気合が入った」。立ち合いで一瞬右足を滑らせたが、左上手を取って右も差すと、瞬時にもろ差しの体勢になって一気につり出した。土俵を割っても左で相手の顔面を突き飛ばした。
楽天の野村克也前監督がNHKのゲスト解説を務め、沙知代夫人(77)も観戦に訪れていた。監督通算1500勝を記念したパーティー(28日、都内ホテル)の発起人としても名を連ねるなど、交流は深い。この日の朝、野村前監督からの電話に「絶対に負けない。勝ちます」と勝利を約束していた。だめ押しは許されないが、いつも以上の気迫の表れでもあった。
野村前監督の解説は、支度部屋でも放送されていた。取組後は「よく話すよね。解説をずっとやった方がいい。勝負の見方がすごいね」と絶賛。続けて「(解説者の)舞の海さんは顔じゃないね」とジョークを飛ばして周囲を笑わせた。帰り際、支度部屋を出ると、待ち構えた沙知代夫人に握手とハグで祝福された。「キス、プリーズ」と右ほおを寄せられたが、さすがにそれは拒否した。それでも「頑張ってよー」とエールを送られ、満面の笑みを浮かべた。
白鵬が把瑠都に初黒星を喫したため、再びトップに並んだ。「把瑠都は強いね。これからも慎重にいくよ」。野村夫妻からパワーをもらった朝青龍が後半戦に向け、勢いを増しそうだ。【田口潤】

