大相撲随一の「大口スポンサー」永谷園が4日、名古屋場所(10日初日)で、懸賞と呼び出しの着物広告を再開することを決めた。同社は野球賭博事件に揺れた昨年の名古屋場所で懸賞と着物広告を中止したが、その後は1場所約200本(1本6万円)という、全体の25%ほどに相当する最多の懸賞をかけていた。八百長問題の影響で3月の春場所は中止、5月の技量審査場所は日本相撲協会が懸賞を受け付けなかったが、約半年ぶりの本場所再開となり、協力すると決めた。

 同社の広報担当者は「着物広告は従来通りですが、懸賞の本数やどの力士にかけるかは未定」と、詳細が決まるのは後日になると説明した。相撲協会の八百長問題再発防止への姿勢などを評価したという。

 相撲協会の二所ノ関広報部長(元関脇金剛)は「非常にありがたいこと」と、同社の懸賞旗は風物詩でもあるだけに感謝した。同部長は6月に、都内で行われた永谷園元社長の永谷博氏の葬儀に参列していたことを明かした上で「皆が励みにしないといけない」と、力士らの奮起を期待していた。