横綱白鵬(27=宮城野)が夏場所(6日初日、両国国技館)へ向け、充実の仕上がりを見せた。1日、千葉県松戸市の鳴戸部屋へ出稽古し、大関稀勢の里(25)と三番稽古。20番取って、19勝1敗と圧倒した。白鵬は「横綱、大関としていい稽古ができた」と笑顔を見せた。稀勢の里は報道陣の前に姿を現さず風呂へ向かった。

 白鵬は立ち合いではかち上げ、左右の張り差し、相手を受けてから自分の形に持ち込む「後の先」などを試した。「6大関の中でも新大関(鶴竜)を含めて稀勢の里は勢いがある。どのくらい通じるか試したかった」と場所を想定しての稽古に余念がない。

 鳴戸部屋への出稽古は昨年5月4日以来、1年ぶり。当時関脇だった稀勢の里に「早く大関になれ」と声をかけ胸を出した。「先代の鳴戸親方(元横綱隆の里)から話しかけてもらったことを思い出す。そういう意味ではこの1年はあっという間」と振り返った。