元大関雅山の二子山親方(36)の引退相撲が1日、東京・両国国技館に約8000人を集めて行われた。断髪式では先代武蔵川親方の石山五郎氏ら約270人がはさみを入れ、師匠の藤島親方(元大関武双山)が大銀杏(おおいちょう)を切り落とした。

 昨年6月に1歳で急死した次男雅高ちゃんの写真を首にかけた長男雅功ちゃん(4)と土俵入り後、「最後の取組」として対戦。押し出しで勝った息子の姿に「練習もしました。強くなっているので楽しみ。夢がまた1つかないました」。整髪中の支度部屋で長男の「お相撲さんになりたい」宣言に笑顔。侑加夫人(29)からは「さらに優しく変わった」と声をかけられた。

 明大を中退後、98年名古屋場所に幕下付け出しで初土俵。昭和以降最速の所要12場所で大関に昇進したが、故障に苦しみ8場所で転落。陥落後の史上最長となる68場所を務めて、十両だった昨年春場所限りで現役を引退した。

 今後は年寄「二子山」として指導する。「強い日本の力士を育てたい。稀勢の里になるのかなと思うけれど、可能性を秘めているのは高安。大関を目指す力がある」と郷土茨城の後輩に期待した。【鎌田直秀】

 ◆二子山雅高(ふたごやま・まさたか)元大関雅山哲士。本名・竹内雅人。1977年(昭52)7月28日、水戸市生まれ。明大3年で中退し、98年名古屋場所初土俵。幕下付け出しから史上初の4場所連続優勝を成し遂げ、99年春場所新入幕。殊勲賞2回、技能賞1回、敢闘賞5回。金星2個。通算654勝582敗68休。得意は突き、押し、右四つ。家族は侑加夫人と1男。現役時代は186センチ、185キロ。血液型O。