13年ぶりに道産子関取が誕生した。日本相撲協会は28日、東京・両国国技館で大相撲名古屋場所(7月13日初日、愛知県体育館)の番付編成会議を開き、北海道・旭川出身の旭大星(24=友綱)の新十両昇進が決まった。横綱8人を生んだ北海道から関取が誕生するのは、01年九州場所の若天狼以来。この日、東京・墨田区の友綱部屋で行われた会見で「まだ実感がないがうれしい。もっと稽古してトレーニングして勝ち越せるように」と話し、すでに心は来場所に向いている。

 過去に大鵬、北の湖、千代の富士ら大横綱を生んだ故郷への思いは強い。昇進がかかった夏場所(西幕下3枚目)前から「次は絶対自分が」と強い決意で挑み、5勝2敗と文句なしの結果で入門6年目で十両を引き寄せた。

 化粧まわしは旭川、大阪の後援会が2本作ってくれる予定で、旭川の方はゆるキャラ「あさっぴー」になるなど、地元愛を貫いていく。「北海道に関取がいなかったのでなりたいとずっと思っていた。忘れられないように幕内に上がって、いい相撲を取れるように頑張りたい」。王国が待望した新関取は、故郷を背負って戦う覚悟だ。

 ◆旭大星託也(きょくたいせい・たくや)本名・大串拓也。1989年(平元)10月18日、旭川市生まれ。旭川大高を卒業した08年に大島部屋入りし、12年4月の大島親方の定年にともない友綱部屋に移籍した。高校時代は柔道部で活躍し、3年時に道高校新人体重別選手権81キロ級で優勝した。184センチ、132キロ。