日刊スポーツが行った人気力士アンケート「第3回大相撲総選挙」は大関稀勢の里(27=田子ノ浦)が、幕内遠藤(23)らを退けて3年連続3度目の1位「東の横綱」に輝いた。昨年の約5・7倍の総数1万3232票のうち、1430票を獲得。変わらぬ期待の高さが表れた。2位の西の横綱には初参戦の遠藤がいきなりランクイン。3位は横綱白鵬(29)で、4位には前回9位の勢(27)が入った。

 頂点に立ったのは、やはり稀勢の里だった。他の追随を許さぬ3連覇。「人気を狙って相撲を取っているわけじゃないけど、コメントを見ても、よく相撲を見ているなと思う人がたくさんいました。分かってくれる人がいると思うと、うれしいですね」と喜んだ。

 今回は、旋風を巻き起こしている遠藤が初参戦。人気は分散し、情勢は混迷していた。だが、結果は男女とも1位。「自分は1つずつできることをやって、1歩ずつ階段を上っていければいいと思っている。そういうのを分かってくれたから、うれしい」。

 この1年、2度の綱とりに挑んだ。白鵬と互角に渡り合う数少ない力士だった。だが、けがで初の休場や、ここぞの場面で何度も歯がゆさを味わった。それすら「逆に人間的な魅力を感じてしまう」(30代女性)「あと1歩がたまらない」(50代男性)「プレッシャーに弱いところも含め応援したくなる何かがある」(20代女性)と声が上がる。「喜んでいいのかな」と苦笑しつつ「その(逆説的な)人気にはならないよう、何とかしないといけない」と誓った。

 ほかにも「はたかない、逃げない」(50代女性)姿への賛辞が多かった。「一言で言うと、できない。あれもセンスですから」と笑ったが、ファンは真っ向勝負にほれている。「昨年より確実に強くなっていると思う。同じ星数でも今年の方が自信になるのが多い。一番力が出る状態で名古屋を迎えたい」。気負いなく言った。【今村健人】

 ◆投票方法

 投票対象は、夏場所番付の幕内力士。5月26日から6月6日まで、はがきと日刊スポーツのウェブサイトで投票を受け付けた。ウェブサイトでは端末1つにつき、1日1回投票が可能。今回は初の試みとして、1回で3人まで投票可能とした。はがきが215票、ウェブから1万3017票が集まった。