日本相撲協会は6月30日、大相撲名古屋場所(13日初日、愛知県体育館)の新番付を発表した。

 夏場所で13勝した大関稀勢の里(27=田子ノ浦)の顔には、これまでと違う落ち着きが漂っていた。8年半ぶりの日本出身力士の優勝が懸かる中で「昨年、おととしより、少しずつ脳みそと体が一致してきた。まだ少し違うことがあるので、すべて一致すれば(優勝)できると思う」と普段、慎重な大関に珍しく力強い言葉が飛び出した。

 7月3日で28歳になる体は「前よりも充実していて、いろんな意味で今の方がいい」と実感する。ただ、日馬富士、鶴竜の2横綱は倒しても、今年に入って白鵬に3連敗。夏場所も星1つ及ばなかった。それだけに「一番強い横綱に勝たないと先は見えてこない」と成すべきことを見据えた。

 名古屋場所での綱とりムードはなく、余計な重圧もない。場所前は出稽古にも行く。まずは悲願の初優勝へ「すべて出し切れば、そうなる(優勝する)と思っている。自分を信じてやっていきたい」と誓った。