巨人は2月24日広島戦から13試合連続白星なし(9敗4分け)で、今オープン戦の最下位が決定した。

   ◇   ◇   ◇

巨人バッテリーはどう打者を抑えたいのか。意図が伝わってこない。オープン戦で相手を研究したり、投手に窮屈な投球ではなく、いい球を投げさせようとしたことは自分もあった。だが開幕延期になったとはいえ、オープン戦終盤ならチーム全体として、どう相手を抑えたいのかが見えてこないといけない。

5点を奪われた5回。1死一塁で、楽天太田にカウント0-1からゾーン内の直球を左前打された。最初の打席ではスライダーに合わずに三振。初球のスライダーにピクリとも動かず、直球ならボール球でもいい状況だ。バッテリーの意思疎通ができていない。続く藤田、山崎幹、小深田の左打者3人にはすべて真ん中から外角への配球。あれだけ右足を踏み込んで外角しか待っていないのに、1球も内角に投げなかった。捕手大城だけの問題ではなく、田口もサインにほぼ首を振らず、投げ手の意思の無さも感じる。

昨年の日本シリーズ4連敗が尾を引いているように見える。日本一になれなかったのは捕手の差だった。巨人捕手陣は仕掛けたが、1度やられて目の前の無難な配球に終始した。対してソフトバンク甲斐は、坂本が得意とする内角を逆に徹底的に攻めて、シリーズを通して物語を描いた。

昨年はリーグ優勝したが、今年は1年をかけてきちんとしたバッテリーを作れるかが、カギを握る。オープン戦の防御率4・37は、12球団で9位。開幕が延期となり、修正できる時間がまだある。(日刊スポーツ評論家)