楽天ドラフト1位の早川隆久投手（22＝早大）が、実戦デビューで2回1安打無失点と好投した。
- 日本ハム戦に初登板し、力投する楽天早川（撮影・菅敏）
早川は去年の広島森下のように新人ではなく、完成された投手といえる。右足を上げた時に左腕が腰の後ろに落ち、打者から球の出どころが見づらい。直球、カーブ、スライダー、チェンジアップと質、コントロールともに良く、カウントを稼いだり、簡単に追い込める。走者を置いたセットポジションでも、クイックも速く、弱点が見当たらない。
ただ大学時代は打ち取れた勝負球で決められないのがプロの世界だ。最初の回で中島や西川に決めに行ったボールで粘られ、4回の野村へ右前打された外角直球もアマチュアなら三振を奪えた感覚だろう。
だが「さすがプロだ」と考えすぎないでほしい。変に自らのスタイルを崩し、ストライクゾーンを広げて、コースを狙わないとと意識しすぎると逆に自分の姿を見失うことにつながりかねない。
だから中田に2ストライクからチェンジアップで3球三振を奪ったが、この時期だからもったいない。内角直球で突いてみるなど、試してほしかった。1年目で結果にこだわりたいのも分かる。だがその次元の投手ではない。プロで長くやっていくことを考えて実戦経験を積んでいっていい。それだけの力がすでにある。（日刊スポーツ評論家）
- 3回表日本ハム2死、投手早川の前に空振り三振に倒れる中田（撮影・江口和貴）
