今の巨人は最悪のチーム状態といえる。主力を欠き、メンバーがそろわず、試合でも打てない。一方の阪神は好調の選手が目立っていて、調子の上がってこない選手が多い巨人との差が勝敗を分けた。

阪神では近本、大山が不調だが、この2人をカバーする得点パターンをみせている。それが巨人サンチェスを攻略した2回の攻撃だ。サンズ、佐藤輝、梅野の3連打と木浪の犠飛で2点を奪った。

特にサンズの左前打に続いて、佐藤輝がつないだのが大きかった。巨人バッテリーの配球は間違いではなかった。しかしサンチェスという投手はややシュート回転の軌道を描く。そこを佐藤輝はとらえた。

ここはバッテリーの陥りやすいところだ。サンチェスは立ち上がりが良かっただけに、つい力勝負にでた。その逆をいったのが阪神西勇だ。うまく打ち気をかわす投球に徹した結果だった。

打者は三振、凡打がかさんでくると振れなくなる傾向が強い。佐藤輝がフルスイングを続けるのは買える。ただ投手としていくつかの攻め方もみえる。今はインコースを意識させればピッチャーの勝ちだろう。

セ・リーグの戦いをみていると、阪神には心配材料が少ない。ここから連戦続きになって完投するレベルの投手をどれだけそろえているかが、各チームの行方を左右するだろう。（日刊スポーツ評論家）