開幕から1カ月が過ぎ、西武は4月を貯金1、Aクラスで終えた。この勝ち試合の中に、西武らしい色が出ているなと感じる。

得点力をどうするか。それが開幕前に不安視された部分で、この試合でも1点ずつを積み重ねる戦い方に変わりは無い。初回無死一塁から長谷川の二塁打で二、三塁。好調の渡部聖が適時三塁打で2点を奪い、これを先発菅井が中島のソロだけに抑え、後続にバトンを託した。

ここからは1点差をしのぐ継投となるのだが、特に注目したのは7回の山田だった。ここまで6試合に登板して防御率は0・00。この日が初めて勝ちパターンでの登板だった。ストライク先行で制球もいい。変化球をまじえて緩急も使えている。三振を奪うタイプではなく、しっかりゾーンの中で打たせる安定感、安心感があった。

甲斐野を前倒しで6回に2番手起用。山田は3番手に抜てき。選手の好不調をベンチがよく見極め、適材適所に徹しているのが光る。この日のような1点ずつの積み重ねと、確実に継投して勝ちきる戦い方こそ、今年の西武らしさと言えるだろう。

強力な先発スタッフを持つ強みはあるが、そこだけに頼るゲーム運びには見えない。6回表無死一塁で、浅村の三遊間への当たりを外崎がダイビング捕球。膝をつきながら二塁に送球して封殺した。ベースに入った児玉も難しい送球をしっかり止めていた。

この球際の強さにこそ、西武らしさの片りんが漂う。また、チームの得点圏打率は2割6分7厘と粘り強く、こまでチーム失策数はリーグ最少。盗塁数もリーグ1位。圧倒的な打力をひっさげた戦い方はできなくとも、地道にひとつずつのプレーを大切にして白星につなげる試合運びに、まだ道のりは簡単ではないだろうが、西武復活への予兆は感じる。

攻撃力には物足りなさは見えるが、弱点は他の部分で補えば十分に戦える。ベンチは日々神経をすり減らす試合展開を強いられているが、それでも1カ月しっかり我慢して、戦える道筋が見えてきたことは、率直に言って素晴らしいと感じる。

山賊打線による豪快な野球は過去の話だ。常にアップデートしながら、今の戦力で勝てるチームづくりを模索している。今年の西武の勝ち方を具現化したような、象徴的な勝ちゲームだった。(日刊スポーツ評論家)

西武対楽天 7回から登板した西武山田(撮影・足立雅史)
西武対楽天 7回から登板した西武山田(撮影・足立雅史)