阪神は初回の1点だけの「スミ1」で勝ちきるのだから、まざまざと投手力を見せつけたといえる。一方の広島は、エンドランを仕掛ける場面もあったが、淡泊な戦いに見えた。伝統的な粘り強さは伝わってこなかった。

先発大竹は球速140キロに満たないストレートとスライダー、チェンジアップなど、変化球を駆使しながら緩急をつけて抑えた。この日の球審とは相性が良くない様子だったが、味方の失策からピンチを招いても落ち着いていた。

1点リードの7回は、ショート小幡の失策から、7番末包に左前打でつながれて、続く矢野に死球で無死満塁に追い込まれる。だが代打野間を投ゴロ併殺、大盛を左飛に打ちとった。逆に広島サイドは最悪の拙攻になった。

大竹の今シーズン6勝のうち4勝が広島戦だ。わたしも楽天監督だった17年に、その年最多勝だった西武・菊池雄星(エンゼルス)に8戦8敗の苦い経験をしている。広島サイドも対策を練っているはずだが、大竹の巧みさに乗せられて打たされた。

阪神は安定したデュプランティエが登録抹消になったが、先発、リリーフと人材豊富で、外国人補強もしているからダメージは感じられない。あえて言うなら、「スミ1」の戦いは持ち前のピッチャーに負担がかかるから、もう1、2点とっておきたいところだ。

このままいけば早々に優勝マジックが点灯しそうな勢いだが、まだ意識する時期でもない。それを意識するのはマジック10を切ったあたりで、それが見えるまでは1つずつ丁寧に勝ちきっていきたい。(日刊スポーツ評論家)

阪神対広島 7回表広島無死満塁、代打野間は投ー捕ー一と渡る併殺打に倒れる。投手大竹(撮影・加藤哉)
阪神対広島 7回表広島無死満塁、代打野間は投ー捕ー一と渡る併殺打に倒れる。投手大竹(撮影・加藤哉)