近本はどういう骨折だったか詳細は分からないが、1軍復帰までそれほど時間がかからないのではないか。
骨がくっつく、痛みがなくなる。そういう状態にならないと、打撃練習というのは、再開できない。これからは調整の段階に入ってくるが、ボールを打つ動作の違和感を解消していく作業になる。これまで右手だけでスイングはしていただろうが、バッティングで使う筋肉は落ちているはず。手首も硬くなっているだろう。左打者の場合、打った瞬間、右手よりも左手のほうが衝撃を受ける。少しでも詰まったら、ガツンと来る。打撃練習しながら、そういう不安を取り除いていく。とはいえ、経験豊富なベテランだし、2軍で数試合出るかもしれないが、ある程度、メドが立てば、すぐに1軍に復帰する可能性もある。
チームの現状を見れば、主軸に問題を抱えているわけではない。しかし1番に関していえば、日替わりのような状態が続いている。5月末に1番中野、2番森下の起用を試みたこともあり、打線の編成は決して楽ではない。厳しい戦いになる夏場、8月以降に帰ってきてくれたら十分。今後の明るい材料であることは間違いない。
2軍調整中のルーキー立石にも触れたい。今考えるべきは、バットの出し方というよりも、タイミングの取り方を一番大事にすることだ。1軍に上がった時は、相手投手の速い直球に合わせて、変化球に対応する。そういうシンプルなものだ。ところが試合にずっと出ていると、変化球を待って打ちたくなることも起きてくる。そうすると、少しずつ直球へのタイミングが遅れてきて、直球がものすごく速く感じるようになり、余計な力が入り始める。そうなると、なかなかバットが出なくなる。立石の打撃は素晴らしいものがある。良かったり、悪かったりを経験しながら、打者として成長していく。もう一度、基本に立ち返る、そんな時間を過ごしてほしい。(日刊スポーツ評論家)




