現役時代に主に抑えだったオリックス平井投手コーチは言う。「やっぱり最後は特別だからね」。先月下旬の平野の離脱後、代役守護神となったルーキー黒木が同30日楽天戦から2試合続けてセーブ失敗。8回のセットアッパー時と内容が一変した。その心中を、元ルーキー守護神が思いやった。現在は球団職員の大久保勝信さん(40)だ。

 「平野がいなくなって、自分が抑えなきゃとかなりプレッシャーになっていたと思いますね」。大久保さんは1年目の01年4月9日の西武戦でプロ初登板。1死満塁と厳しい場面ながら現ロッテ監督の伊東勤を二ゴロ併殺打に打ち取った。好投を続けて5月からは具台晟に代わって抑えを託され、新人王も獲得した。

 当時は1イニングずつの完全分業制ではなかった。「だから今とはちょっと違うとは思うんですが、僕は抑えとか関係なく、他にもいい投手がいるからどんどん攻めていこうという気持ちでした。黒木君も攻める気持ちを持てば大丈夫と思います」と大久保さんはエールを送る。黒木は今月12日、初めて出場選手登録を外れた。マウンドでの力強い姿の復活を、先輩も楽しみに待っている。【オリックス担当=大池和幸】