ケガで気付くことがある。鈴木は「他球団のファンの方が応援してくれるのがうれしい。びっくりした」とうれしそうに語った。8月23日の守備中にフェンスにぶつかり「右足脛骨(けいこつ)内果骨折、三角靱帯(じんたい)損傷」。同29日に広島市内の病院で「骨接合術、靱帯(じんたい)修復術」を受けた。今月6日に退院。9日に広島・廿日市市の大野練習場でトレーニングを再開した。

 鈴木の元に届いたのは無数のファンレター。意外にも他球団のファンからのものも多かったと言う。「僕がいなくなったらうれしいと思うと思うんですけど。見ていて楽しくなくなった、とか書いてくれていて」と明かした。今までは気付くことのなかった存在。モチベーションにもなっているようで「早く戻りたいって思います」と続けた。

 焦りはなく、今は完全復活だけを見つめる。「来年に響くのは嫌。ゆっくりじゃないですけど。出来ることをしっかりやりたい」と前を見つめた。だが最後はやっぱり鈴木らしい。「目の前で本塁打打ったろって思ってます。やっぱ戻ってくんじゃねーよって。そうなれるように頑張ります」。そう言うと、松葉づえで寮内へと消えた。【広島担当=池本泰尚】