19日のソフトバンク戦の7回1死二塁、ヤクルト青木宣親外野手が暴言により退場となった。フルカウントからの7球目をハーフスイングすると、間髪入れずに球審から空振りを宣告された。

ハーフスイングを三振と判断された青木宣親(2018年6月19日撮影)
ハーフスイングを三振と判断された青木宣親(2018年6月19日撮影)

 青木は三塁塁審を指さし、スイングかどうかの確認を求めた。だが、既に判定が出た後で、確認がされることはなかった。いつも冷静な受け答えをする青木だが、何か言葉を吐き捨てるように発してベンチに歩を進めると、背後から退場を宣告された。ベンチから首脳陣が飛び出し、神宮がざわついた。米国マイナー時代に「アウトかセーフか」の判定で1度しか経験したことのない「退場劇」。宮本ヘッドコーチになだめられるようにベンチに引き揚げた。

 暴言は絶対に許されることではない、と始めに断っておく。青木も十分理解し、反省している。その上で、なぜ青木がこれほどまでの怒りをあらわにしたのか。「打者が見えるのはそっち(三塁塁審)しかないんだから、聞いてくれてもいいんじゃないかと思いました」。ルール上、球審にスイングしたかどうかのアピールをする権利は打者にはない。それを承知の上で、必死にアピールした。「打者はその1打席に懸けているんだから、聞いてくれてスイングなら納得する。だから何で聞いてくれないんだろうと思いました」。悔しさが、退場劇につながってしまった。

ハーフスイングを三振と判断された青木宣親(左端)は球審への暴言で退場処分となった(2018年6月19日撮影)
ハーフスイングを三振と判断された青木宣親(左端)は球審への暴言で退場処分となった(2018年6月19日撮影)

 左打者の青木がスイングしたかどうかは、捕手の背後にいる球審よりも、体の正面が見える三塁塁審の方が判断しやすいのは明らかだ。でも、球審もそれを承知の上で「スイング」と即座に、自信を持ってジャッジしたはずだ。小川監督は「熱くなりすぎずに、冷静にやらないといけないでしょう」と、まずは双方に求めた上で続けた。「暴言がいけないのは間違いない。でも、明らかなスイングならやむを得ないけど、微妙なスイングだったら聞いてほしいと思う。塁審に聞いてスイングと言われたら納得せざるを得ない」と打者心理を説いた。

 選手も首脳陣も、審判団も、一投一打に人生を懸ける。小川監督は「選手は、いちいち熱くなってはいけない。審判団は懐を大きくというか、選手のことも考えてほしい。選手は何も言えないんだから」と言った。試合運営において、リプレー検証をするリクエストなどで正確性を高めるのも重要だが、人間同士で高められることも、まだあるはずだ。【ヤクルト担当 浜本卓也】